ひつじの絵をかいて!

いろいろ拗らせた本の虫女子大生の独り言。すべては主観であり、個人的な意見です。

推しが死んだ話

突然ですが、推しが死にました。

 

今回は本の話でもなく、映画の話でもなく、ただのオタクによる弔辞です。多分気持ち悪いです。

 

現在大学三年生の私は、一、二年生の時に履修上限まで授業を詰め込んでいなかったせいで、結構な積み残しの単位があります。それを一掃しようと、今年の春は授業を多めに取り、レポートとテストが五つずつ、発表が一つ、七月の終わりから八月の初めにかけて控えている状況でした。高学年になったので、レポートの内容も文字数も簡単に倒せなさそうなものばかりでした。その中でも、難易度が高そうなレポートを二つ倒した、テスト前の土日に、私の電池はぷつりと切れてしまいました。困ったことに、何もやる気が出ない。

 

困った私は、とりあえずネットフリックスを開きました。何か一つ観ればやる気が起きるかもしれない。だけど映画は二時間もある。軽いものがいい。そうだ、アニメはどうだろう──。

 

そうして見つけたのは、以前シーズン2まで観てから、先を追いかけていなかったアニメでした。一話見たら勉強に戻ろう、そう思って再生したのが運のツキでした。

 

さて、私の推しの話をしましょう。

 

推しは成人男性で、身長176センチ、体重65キロ。ちょっと大変な世界に生きていて、戦っているひとです。目立つキャラクターではなく、完全なる脇役で、原作でもなんだか作画が怪しい。

 

では、この作品にはもっと(?)魅力的なキャラクターがたくさん出てくるのに、なぜ私がその人を推しているかというと、彼のおかれた役回りに理由はあります。

 

彼は、女上司に身を挺して忠実に仕えている部下なのです。その女上司は、仕事に燃える変人で、彼は振り回されてばかり。だけどいつでも一緒にいて、危険から上司を守り、時にいさめる私の推し。いつだって斜め後ろにいるのに、部外者から上司が軽んじられた時には一歩前に出て、不届きものの手をつかんで威嚇する推し。

 

尊い

 

私はそもそも上司と部下、主と臣下という関係性にどうやら弱いようで、「ストロベリーナイト」の菊田と姫川や(年下女性警部補と年上巡査長)、「パレス・メイヂ」の御園と陛下(女帝と出仕の少年)などにこれまでハマってきました。

 

推しとその上司の関係性はまさにドンピシャであり、私はこの推しを推しているというよりは二人の関係性を推しているのです。だけど推しCPかと言えばそれも違う。たとえそこに恋愛感情があろうとなかろうと、それは問題ではありませんでした。

 

ここで冒頭に戻りますが、その推しが死にました。

いえ、わかっていたんです。推しが生きる世界は、ざくざく人が死ぬことで定評のある世界でした。私以前に推しが死んだ人も沢山いたでしょう。そして私の推しは完全なる脇役。物語のキーにはならないだろうし、もしかしたら死ぬところさえも描かれないかもしれない。おそらく大切に思っているであろう、上司とは全く関係ないところであっけなく死ぬかもしれない。うっすら覚悟はできていました。

 

そして、私は以前原作の漫画で、推しが死んだことを知っていました。それなのになぜ今回こんなにしんどいのか(多分その時はしんどすぎて記憶を封印したんだと思います)。テストがとうに終わって、夏休みに突入してから一週間、インターンのESも書けないくらいに引きずるのか。

 

ちょっとそれはわからないけど、とにかくしんどい。

 

推しの死にざまの話をします。先ほどなんも関係ないところで推しが死ぬのではという危惧があったと書きました。

しかし、私の推しは、まさに推しのすべてを体現した形で死にました。上司を爆発から守るため、井戸に叩き落し、自分はその爆発に巻き込まれて、跡形もなく消えたのです。理不尽に殺されていく人々が多いその世界の中で、きちんと自分を全うして、上司の目の前で死んでいった推し。さらに推せる。

 

書いていて気づいたのですが、私は推しの死ぬシーンでさらに推しを推したくなり、しかし推しは死んだのでそれができずに欲求不満だからこそ、こんなに引きずっているのかもしれません。

 

特に意味もなく伏せてたけど、私の推しの名は、モブリット・バーナー。名前からもうモブ感があふれ出している、進撃の巨人の登場人物です。ハンジの優秀な副官でした。願わくば、君が次に生まれる世界が平穏であらんことを。アーメン。

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ここから下は、本当に行き場を失ったただのオタク語りなので、ちゃんと読まなくて大丈夫です。

 

モブリットを失い、ハンジがエレン達のところへ向かうと、そこには超大型巨人との戦闘で黒焦げになったアルミンと、獣の巨人との戦闘で重傷を負ったエルヴィンがいます。リヴァイが持っている巨人化して延命できる注射は一本きり。彼らはどちらかの命を選ぶことを迫られます。エレンとミカサは、幼馴染であるアルミンの延命を望みますが、リヴァイとハンジは、団長であるエルヴィンの延命が必要であると説きます。

その際、暴れるミカサを説得すべくハンジがミカサを抱きしめていった言葉が、「私にも生き返らせたい人がいる。何百人も」でした。そこで挟まれる、モブリットが死ぬときの回想。「何百人も」とついていたことで、彼は、ハンジにとってはそのうちの一人でしたなかったんだと、少ししょんぼりしました。原作での彼のモブ具合を考えれば当然なのですが。

結局考えを巡らしたリヴァイは薬をアルミンに打ち、エルヴィンは死亡します。これまで信頼関係が何度も描かれてきたエルヴィンを失うことは、リヴァイにはつらいはずです。これまで生き残ってきて、今後も生きて戦う調査兵団幹部のハンジとリヴァイに、同様の喪失体験をさせるためにモブリットが死んだのだとしたら、舞台装置に使われた気がして、また少ししょんぼりしました。しかし、よく考えればリヴァイにとってのエルヴィンの重みと、ハンジにとってのモブリットの重みが同じくらいってこと??それってとってもヘビーだし、モブリットも本望では?とも思います。