ひつじの絵をかいて!

回避型愛着障害で、拗らせ文学少女女子大生書店員の独り言。

ネトストなんてするもんじゃねえ!!――あるいは、元彼が怪しいスピリチュアル系にはまっていた話

もう決めた~わたし~人里離れて生きてくの~♪

SHISHAMOで「ごめんね、恋心」でした。YouTubeにはないので「SHISHAMO3」をご購入ください。SHISHAMOはいいぞ(ダイマ)

こんにちは、お初にお目にかかります。

わたくし都内の某私大の二回生、みずきと申します。

突然ですが皆さん、ネトスト、お好きですよね?

ネトストとは、「インターネットを利用して特定の人物にしつこく付きまとうストーカーの総称」BY Wikipedia先生 だそうで、サイバーストーカーとも呼ばれるそうです。サイバー。こう呼ぶと一気にSFみが増し増しでいい感じですね。エージェントが常に何者かに追われている気配を感じていて、敵の中枢アジトに踏み込んでファイルを調べたら、実はAIのサイバーストーカーにありとあらゆる電子機器を通じてストーキングされていた……なんて背筋が凍る系SF大作が観たいなあ。ついでに、明日からわたしのことはネトスト女ではなく、サイバーストーカーと呼んでほしいです。

そうです、わたしにはネトスト癖があります。しかもスマホを手にした中学生のころあたりから、誰に教わることもなくネトストを身に着けた筋金入り、本物のネトスト女です。おそるべしデジタルネイティブ世代。

最初のネトストの記憶は中学卒業あたり。そのころのわたしは、習い事で知り合った隣の中学校に通う男の子に一目ぼれをしました。

しかし困った。接点がない。話しかけることができるほどの自信も勇気もない。そもそも彼がわたしの名前を知っているかさえ怪しい。

そのころから拗らせ文学少女で、かつ容姿コンプレックスが強かった私は、ただただ彼が友達とふざけて笑いあっているのを見ていることしかできませんでした。純情かよ。純情だよ。

それでも共通の友達はいたので、会話に混ざってみたりなんなりして、かろうじて顔と名前は認識してもらえたかなくらいにはなりましたが、そのまま時は流れ、受験が終わり、彼と毎週会える環境はなくなってしまいました。

わたしは私立の高校に特待生として推薦入学しましたが、直前まで公立のとある高校を受験するか迷っていました。しかし、受験が終わった後人に聞いたところによれば、彼はその高校に進学をするというのです。

あと少しのところだった。同じ高校ならわんちゃんどころではなく森羅万象がわたしの味方になりきっとどうにかできただろう(自信の出どころは謎)。その思いは、わたしが彼のことをあきらめるのを許しませんでした。なんたって顔が好き。あと名前と声と手。ああ、でもやっぱり顔が好き!!!!

待てよ、まだ終わったわけじゃないんじゃないか? 私の恋。だって今やSNSが発展しているではないですか! ソーシャルネットワークサービスですよ。彼のLINEは知らないけれど、Twitterのアカウントくらいは見つけられるのでは????

思いついた時には勝手に手がアプリを開いていました。彼との共通の友人のページを開いて、フォロー欄をさかのぼり、さかのぼり……。

み、みつけたー!!!! まごうことなき彼のアカウント! 本名漢字で登録してるとは思ってなかったけど! リテラシー的にちょっとどうなのそれ。

まあ何はともあれ彼との糸は切れていなかったわけです。女神様ありがとう。めでたしめでたし……。

とはいかないのが拗らせ文学少女の恋。直接フォローなどせず、まずは偵察です。だって彼女がいたりしたら嫌だもの。そもそも彼のことは何にも知らないんだもの。

まずは彼のツイートをチェックです。どこへ遊びに行っただとかおなかがすいただとかの日常的なツイート。やたら某夢の国公式のリツイートが多い気がするが、まあいいでしょう。そういえばその前の彼氏もDオタだったなあとかは思い出さないでおきましょう。

次にリプライも含めて読み込みます。ふむふむ、やり取りがやたら多いのはこの男子なのだな。仲良しなのかな。あ、女の子とのリプもある。この対応からするにおそらくは彼の方には気がないよう。しかし彼のツイートに逐一リプを飛ばしているところを見ると、彼女は彼のことが好きなのかもしれない。おっけー、心のデスノートに追加した。

最後にいいね欄も余すことなくチェックします。ねこ画像ねこ画像、夢の国、歌い手、ねこ画像、歌い手、夢の国、歌い手……。歌い手多くないか? わたしも当時はボカロも歌い手も聞いていましたが、将来の彼氏(100パーセント妄想)には聞いていてほしくはない。他人に厳しく自分に甘い、典型的なオタクでごめんなさい。でも特定の女の子のツイートをひたすらいいねしてないことが分かったのでよしとしましょう。

ここまで観察したのち、やっと直接行動に移ります。どきどきしながら彼をフォローして……、彼からフォローが返ってくるのを待ってる間に、彼のフォローフォロワー欄を余すことなく見ておこうかしら☆

そんなこんなで息をするようにネトストの一歩を踏み出したわたしですが、なんやかんや彼からフォローが返ってきて、こまめにリプライを飛ばし(超どうでもいい観葉植物のツイートにリプを飛ばしたのを覚えています……)、もうこんだけ話してるんだからLINEにしない? と流れでLINEをゲットし、実は彼女がいたことが発覚したけれど、結果的には略奪に成功しました。拗らせ文学少女ネトストの執念おそるべし。

しかし彼とは高校が違います。彼が通っていた高校は結構パリピ目。極めつけに彼は軽音でバンドを組むのですが、その構成メンバーが彼以外女子!!!! 心配で夜しか眠れない!!!!!

その気持ちを素直に彼に伝えれば万事解決、甘々な雰囲気になっておいしいことだらけだったのですが、こちらは拗らせプロ。そう簡単にはいきません。

とりあえずネトストは継続です。バンドアカウントから各メンバーのアカウントを特定し、そのリプライといいね欄まで飽きずに眺めていました。彼と付き合っていた一年間ほど、それはわたしのルーティンの一つでした。

生活に密着したネトスト。

 

 

元彼が怪しいビジネスにはまっていた話をしたかったのに、わたしのネトストとしての半生を詳しく語ってしまった……。ここからが本題です。

いろいろあって彼とは別れてしまいました。そこからは怒涛の受験勉強で恋愛に溺れる暇もなく、新たなネトストの被害者は生まずに済んでいました。

特に未練もなく一年と半年ほどが過ぎ、大学生になったわたしはふと彼のことを思い出しました。そういえばどこの大学に進学したのだろう。彼女とかはできたのかな。普通の女の子だったらそこで連絡をとるのでしょうか? 

真正面から、元彼に??? それ未練あるとか勘違いされない? 大丈夫???

自意識過剰拗らせ文学少女にそんなことができるはずがありません。じゃあわたしに何ができるかって? ネトストしかないでしょう!!!! むしろ今こそ満を持してのネトストでしょう!!! いざ参らん!!!!

そんなわけでとりあえずTwitterから、検索をかけました。あら不思議、私の指はまだ彼のIDを覚えていたのです。しかも当時から彼はアカウントもIDも変えずにいてくれた模様。いとも簡単に見つけてしまいました。

彼は高校生のころからあまり変わっていないように見えました。親と観たホラー映画の話。高校の後輩の話。夢の国の話。バイト先の飲食店の話。髪の話。バイト先の話。バズってるツイートのリツイート。ねこ画像。バイト先の話。バイト先の話。バイト先の話……。んー?? 

ちょっとバイト先の話多くないか???

しかもそのバイト先の飲食店、単なるチェーンではなくちょっと聞いたことのない名前のお店なのです。そして名前がなんか怪しい。わたしと付き合っていたときに勤めていたお店がつぶれたのは知っていましたが、どうやらその後に始めたアルバイトのよう。勤務が長いからか最近は一人で任されることも多いと生き生き語る文章。目標がどうの、本気がどうの、勉強(店関連)がどうの……。

なんだかちょっと生き生きしすぎている気がする。

個人的に怪しい宗教とかネットワークビジネスとかセミナーについて軽ーく調べるのが好きなわたし。その日も直前にア○ウェイにはまってしまった友達の話を語るTwitterの一連のツイートや、妻がはまってしまったという人のブログを読破した直後でした。無駄な知識に、ぴんと来てしまったのです。怪しい。

しかし決めつけるのは早計。いくらはまりやすい人間であったとは言え、付き合っていた人がそんなちょろかったとは思いたくない。もうちょっと確認しよう……。

わたしはInstagramでも彼のIDで検索をかけてみました。すると……ヒットしてしまいました。まごうことなき彼のアカウント!(二回目)この男、ちょっとちょろすぎる……。

インスタには料理の写真とともに、謎の集合写真が載っていました。セミナーだのバーベキューだの勉強会だの。おばさん、おじさん、子供、若めの男女……老若男女が曇りなき笑顔で映っています。

知ってるー!! これブログとか体験談で読んだやつだ!!

やたら大人数のよくわからない集まりの写真。やたらポジティブ。尊敬する人の話。夢、成功、感謝というキーワードが乱舞する長文。

無駄知識、無駄な趣味が役立つときが来てしまいました。これはたぶん確実にあれです。あかんやつです。

わたしはとりあえず一番仲の良い大学の友達にLINEしました。「元彼がネットワークビジネス(?)にはまってるかもしれん」この興奮の冷めやらぬうちに誰かと共有しなくてはならない。そんな使命感でいっぱいでした。

彼女からの反応も早い早い。草を交えながら情報を共有し、彼女はその団体のFBのイベントページまで発掘してきました。そこにはとある南米古代文明の占い(?)を2000円で受け付けている話神○コンシェ○ジュ(??)の話など、普通の大学生にはついていけないパワーワードが舞い踊っていました。

そっかー!!! ねずみ講とかではなくスピリチュアル系だったかー!!!ごめんね勘違いしてたよ!!!!

しかしスピリチュアル系も同じくらい私は個人的に苦手です。胡散臭い運命だの何星人だの占星術だの子宮だのを信じる気にはなれません。信じる人を強く否定したりはしませんが、絶対に友達にはなれないなあと思います。Not for me。

科学的根拠がないであろう物体への崇拝と言えるほどの信頼。謎占いをめっちゃ信じているツイート。もう読んでいるだけで背筋がぞっくぞくです。ああ、こういうの大好き。でもそれはわたしと何も関係のない人がはまっているのを外から見るのが楽しいのであって、決して元彼にははまってほしくなかった。顔が好きで付き合ったけど、結構ちゃんとした人だと信頼していたのに。

どうせならネトストの先には、今の彼女との目も当てられないほどのイチャイチャカップルフォトがあればよかったのです。#bf #ペアルック とかが待っていたなら、わたしは彼が幸せになったことを喜びつつ、そっと携帯の画面を消して、二度と検索をかけたりはしないでしょう。幸せな二人を過去の亡霊がのぞき見するのはフェアではないから。

しかし待っていたのは、怪しい何かに狂ったようにはまっている現在の彼の姿。しかも大学も友達付き合いもおろそかになっているようです。

これは興味がわかないわけないでしょう。

ネトストをやめられるわけないでしょう????

わかりました? 元カノにネトストをやめてほしけばあまりコンテンツ力のある人間にはならないことです。ネトストはする方も悪いですがされる方にも理由があるのです。ネトストに取りつかれ過去の亡霊となったすべての女性に救いを。アーメン。

そんなわけで今でもわたしは定期的に彼のアカウントを監視しています。

ああ、ネトストなんてするもんじゃねえ。

おかげでネトスト地獄から抜け出せなくなってしまいました。

健全に生きたい人間には絶対におすすめできませんが、人生に退屈している人はやってもいいかもしれません。ネトストまではいかなくとも元恋人のアカウントを久しぶりに覗いてみると、低確率でとんでもなくおもしろいことになっているかもしれませんよ。たいていの場合は現在のパートナーとの近状などのみかもしれませんが。ハイリスクローリターンな神々の遊び、ぜひお試しください。

ちなみにこれを書く前に検索してみたら、なんと彼は大学さえもやめてしまい、そっちに専念することにしたようです。まだまだ目を離すことができないさすがのコンテンツ力ですね! 面白そうなネタがたまったらまた彼について書いてみようと思います。

※最後に、万が一これを発見してしまったわたしのフレンズはドン引きしないでください。そっと教えてください。口止め料にご飯をおごります。

以上、みずきでした!